伝えることの難しさ

もう10年以上前になりますが、
手話通訳者を目指したことがありました。

兄の2番目の子供が赤ちゃんの時に高熱を出し、
もしかしたら耳が・・・と聞かされたときに
手話を学ぼうと思い手話サークルに参加しました。
(甥っ子の耳は大丈夫でした)

サークルでは手話の勉強はもちろんですが、
聴覚障がい者の方との交流や、
イベントの参加などの活動をしていました。

2年ほど在籍したところでサークルの会長から
手話通訳者を目指してみないかと言われ、
手話のレベルはまだまだだけれど
やってみるか!と思い、養成講座に行き始めました。

講座にはそれはそれは高レベルな手話達人ばかりが各地から参加していて、
そのことにまず圧倒されていました。
講座中のグループワークなどでも一切の声は禁止。
すべて手話での会話のみでした。
活発に交わされていく手話での議論の中で
私の発言はどんどんなくなっていきました。

同時通訳の課題で前に立たされ、
いきなり時事ネタのニュース原稿を流されたとき、
単語が一個も出てこないし、スピードについていけないし、
頭が真っ白になりピタッと手が止まり、
そこで私は最後まで手を動かすことを諦めてしまったのです。

講師はものすごく怒りました。
めちゃくちゃ怒鳴られました。
「手話の単語がわからないとかスピードについていけないのは仕方がない。
けど、何か一つでもどうにかして伝えようとしなかったことに腹が立つ!
聞こえない人に情報を伝えるのが通訳の仕事。
手話でなくてもジェスチャーでも何でもいいから伝えようと努力しなさい!」

その通りでした・・・ムッとしたまま立ちすくみ、
下を向いていたのでは聞こえない人には何が何だかわからない。
その日はずっと悔しくて悔しくて悔しくて・・・
ひたすら泣いていました。

周りの人のレベルに圧倒されて、できない自分が恥ずかしくて、
こんなみじめなことないって思って。
誰のために手話をやっているのかわからなくなっていました。
手話を学ぶ目的は聞こえない人に情報を伝えることだったはず。
それを忘れてしまっていました。

講座を続けるかどうか悩みました。
それでなくても超難関の狭き門。
講座を続けても試験に受かる可能性はほぼゼロでした。

サークルの会長に出来事を話すと、
辛かったね・・・と慰めてくれました。
まだちょっと早かったかな、と。
講師に謝り、結局講座は途中で辞めました。

サークルからも段々と足が遠のき、
そのまま引っ越してしまい手話自体から離れました。

この経験は今でも思い出すたびに苦しくなります。
自分の実力がうんぬんよりも、本質を分からず、
手話をきれいに流れるようにできることだけを目指していた自分に
喝を入れられたことの恥ずかしさ、ですかね。

声を持たない人たちにとって伝えることはほんとに大変なこと。
細かなニュアンスの違いでのすれ違いなんて日常茶飯事。
だから聞こえない人たちはすごくはっきり意思表示します。

アンガーマネジメントでは
1、衝動のコントロール
2、思考のコントロール
3、行動のコントロール
のトレーニングをお教えします。
その中で自分の感情を「伝えたり」
要求を「リクエスト」したり、
伝えることも重要となります。

「察してくれ」「わかってるはず」はこちらの勝手な事情。
感情的にではなくアサーティヴ(自分も相手も尊重した)に
うまく伝えられるようになりたいですね!

 

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-MiskaNoma-

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